スタイリングをご紹介する前に、 まずは「黒＝Black」という色が持つ印象について、少しだけ触れてみたいと思います。
私たちの身のまわりには、さまざまな色があり、 色はそれぞれ、見る人に異なる印象や感情を与えると言われています。
こうした色と人の心理との関係性は、「色彩心理学」としても知られています。

色彩心理学の観点から見ると、 ブラックは、力強さや高級感を感じさせ、 気持ちを引き締めたり、集中力を高めてくれる色とされています。
その一方で、暗さや静けさを連想させることもあり、 着こなしによっては重たく見えてしまうこともある色です。
だからこそ、ブラックは取り入れ方次第で、 装いの印象を大きく左右するカラー。
この特集では、そんなブラックを日常のスタイリングに 心地よく取り入れるためのヒントをご紹介していきます。

寒さが深まる冬の装いは、 重ねるアイテムが増える分、印象のつくり方もさまざま。
ブラックを軸にしながら、素材や分量感を調整することで、 冬ならではの奥行きあるスタイリングが完成します。
印象ごとに表情の異なる、ブラックの着こなしをご覧ください。

寒い季節、最初に目に入るのはアウターの佇まい。
ブラックを選ぶことで、全体の印象は自然と引き締まり、 それでいて、素材感や重ね方次第でやさしさも表現できます。
冬に取り入れたい、ブラックアウターの着こなしをご覧ください。

ひょうたんキルトのミディコートを主役に、 ニットベストとフレアワンピースを重ねたブラックコーデ。
ワイドストライプの縦ラインが、 重なりのある装いをすっきりと見せてくれます。
あたたかさと軽やかさを両立した、冬の日常に取り入れやすいスタイルです。

ボア×キルトの存在感あるブラックコートに、 デニムのサロペットを合わせたスタイリング。
カジュアルな素材を取り入れることで、 ブラックの重さがやわらぎ、軽やかな印象に仕上がります。
冬のブラックを気負わず楽しめるコーディネートです。

ショールジャケットのブラックを軸に、 花柄刺繍ブラウスと配色ツイードスカートを合わせたスタイリング。
柄や色味のあるアイテムも、 ブラックが全体を受け止めることで、落ち着いた印象にまとまります。
華やかさと大人らしさを両立したコーディネートです。

ホワイトは爽やかで軽やかな印象が強く、 どこか春夏を思わせる色。
冬のブラックコーデには、 ほんのりと黄みを含んだアイボリーを選ぶことで、 装いにあたたかみと奥行きが生まれます。
ブラックをトップスに持ってくることで、 全体が引き締まり、季節に馴染む大人の配色に仕上がります。

トップスにブラックを配することで視線が上に集まり、 全体のバランスが整ったコーディネート。
すっきりとしたテーパードシルエットと、 やさしいアイボリーの色合いが、 きちんと感と軽やかさを両立してくれます。
冬の日常に取り入れやすいブラックスタイルです。

スタンドフリルが印象的なブラックブラウスを主役に、 裏起毛のテーパードパンツを合わせた冬のスタイリング。
ほどよい甘さのあるトップスが、 ブラックコーデにやわらかな表情を添えてくれます。
きちんと感と着やすさを兼ね備えた、大人の装いです。

シンプルなブラックコーデに、 少し明るい色を重ねるだけで、 装いの表情は大きく変わります。
差し色として取り入れたカラーが、 冬のスタイリングに新鮮さと動きをプラスします。

フリル襟と袖フレアが印象的なブラックのブラウスに、グリーンのワイドパンツを合わせたコーディネート。
甘さのあるディテールも、黒を軸にすることで落ち着いた大人の表情に。
分量感のあるパンツが、全体にほどよい抜けをつくります。

ブラックをベースに、レッドを効かせたコントラストのある配色。
強さを感じやすい組み合わせも、トップスを黒にまとめることで落ち着いた印象に。
色の存在感を活かしながら、大人の装いへと引き寄せたスタイリングです。

ブラックをベースに、イエローを効かせたコーディネート。
暗くなりがちな冬の装いも、明るい色をトップスに取り入れることで表情が一変します。
色のコントラストが、ブラックの魅力をより引き立てます。

※コーディネートに使用しているスカートが生産中止となったため、同タイプのバルーンスカートでご紹介します。

存在感のあるチェック柄ボトムスも、ブラックを合わせることで落ち着いた印象に。
柄の表情を活かしながら、全体はすっきりとまとまります。
ブラックが、柄コーデのバランスを整える役割を果たします。

カジュアルなチェック柄パンツとスニーカーに、フェミニンなブラックトップスを重ねた組み合わせ。
テイストの異なるアイテムも、黒を軸にすることで違和感なく馴染みます。
日常に取り入れやすい、大人の甘辛ミックススタイルです。

起毛感のあるオンブレチェックを、ブラックのピンタックブラウスで端正にまとめたスタイリング。
柄の主張を抑えつつ、全体に落ち着いた印象をもたらします。
控えめな表情の中に、静かな存在感が感じられるチェックコーデです。

ブラックを主役にした装いは、少し難しそうに感じるもの。
けれどワンピースなら、一枚で空気感まで整えてくれます。
さっと着るだけで成立する、 日常に寄り添うブラックワンピコーデをご提案します。

スタンドカラーのチェックワンピースに、立体感のあるケーブル編みカーディガンをプラス。
編みの表情とチェック柄が重なり、シンプルながらも奥行きのある着こなしに。
ブラックを基調にすることで、全体が引き締まった印象に仕上がります。

シャツワンピースを羽織として取り入れた、レイヤードを楽しむブラックコーデ。
ブラウスとパンツのシンプルな組み合わせに、ワンピースが自然な奥行きをプラスします。
着こなし次第で印象が変わる、ワンピースの魅力を引き出したスタイルです。

レースとピンタックをあしらったフレアワンピースを、スニーカーで合わせたスタイリング。
ブラック一色の中に、足元のカジュアルさが程よい抜けをつくります。
きれいめに寄りすぎない、大人の日常にちょうどいいワンピースコーデです。

フリル襟と袖口のやわらかな表情を、ブラックで引き締めたワンピーススタイル。
細畝コーデュロイの落ち着いた質感が、甘さをほどよく抑え、大人らしい印象に導きます。
一枚で着映えしながら、季節感もしっかり楽しめるコーディネートです。